コレクション: MEMO

違いばかりが気になっていたものが同じもののように見えてくることがあります。

TRAP BAGの手元に引き寄せる短いハンドル(トラップ)をとても気に入っていて、これをショルダーバッグで考えたいというのがそもそものきっかけでした。

トラップを鞄から解放してショルダーストラップと繋げてみようかと。どこかでもらったノベルティのバッグにテープをぐるりとまわしてみたりして。

片方を短くするともう一方が長くなって、片方を長くするともう一方が短くなる。アジャスターを両端にもってくれば、テープの全長を変えることができる。

もちろんショルダーストラップの長さが固定である軽やかさというのも忘れてはいけないのですが、鞄が膝の位置にくるまで長くして歩く人や、ぎゅんぎゅんに短くして自転車に乗る人なんて気になってしかたない。ショルダーストラップの長さって人となりや生活が表れていて興味がつきないのです。(そういう意味で調整できるストラップが2本あることはさらに興味深い。)

鞄の口元をスナップボタンで留められたほうが身体に沿ってしなるので収まりがよいけど、薄手の生地だと頼りないからテープを縫い付けて補強したい。補強のためのテープはぐるりとまわしたハンドルの延長線上に見えてきます。

ハンドルはハンドルであって、ショルダーストラップはショルダーストラップであって、アジャスターやスナップボタンを固定するには独立したパーツが必要なはずだったのに。鞄を構成する要素は薄目で見ると境界が曖昧になってきます。

分割されているように見えるものでも梳いて透いて同一性を取り出して、そのまま一緒くたに考えてしまうことで、ばらばらだったものが一筆書き(ONE STROKE)につながっていくのです。


*IDENTITY/同一性

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