価格改定のお知らせ
古着に触れることのが多かった学生の頃、ミリタリーやハンティング、フィッシングなど特定の用途を持った衣類に惹かれました。何かの意図や目的を持った仕様や配置。それらに対する興味は尽きることはありませんでした。
一方で筋道立てて配置されたフェイクポケット(フラップだけで袋のないポケットや飾り玉縁ポケットなど)のように、意図的に意味だけを削り取ったものにも好感が持てました。模倣の繰り返しによる形骸化とは異なる意図的な無意味は、意味があることと同等に重要であると気づきました。
私にとって底鋲はまさしく形骸化の象徴でした。デザインの過程で飾りのように付け加えられて。本来、底鋲は効果的な要素ですが、底鋲があるから高級感がある、底鋲があるから安心、なんてことはありません。そこでビブラムソールを鞄の底に貼って、飾りのように底鋲を打ってみました。これで安心して地面に置ける気がしました。
*MERE FACADE/形骸